メッコール

メッコールには何が入っている?

メッコールを、大雑把に説明するなら、

大麦と砂糖と漢方薬っぽいものとハーブと水と炭酸でできている韓国製の缶入りソフトドリンクです。

大麦をたくさん消費してもらうために開発された飲料であることは、「メッコールって?」でご紹介しました。

大麦が大量に含まれています。

麦の飲料というと真っ先に思い浮かぶのは

ビールや麦焼酎!
麦茶!
ミロ!

メッコールは、ビールの風味とは違う、どちらかというと麦茶寄りの風味の飲み物です。

けれど、麦茶だけでもない・・・独特の、個人的にはたまに無性に飲みたくなる、クセになる風味があります。
何か香料でも入っているのでしょうか?

気になるので、原材料について掘り下げてみたいと思います。

 

メッコールの原材料や内容量

名称 炭酸飲料
原材料名 ①大麦抽出液

②砂糖、果糖ぶどう糖液糖

③ハーブ複合エキス(メタリン酸ナトリウム、カンゾウエキス、その他)

④ハッカ液

⑤酸味料、香料

⑥ビタミンC、ナイアシンアミド、ビタミンB2、ビタミンB1

内容量 250ml
原産国 韓国
カロリー 100ml当たりのエネルギー 51kcal
その他
栄養
たんぱく質0、脂質0
炭水化物 13g
食塩相当量 0.042g
ビタミン
含有量
ビタミンC 26mg
ビタミンB1 0.4mg
ビタミンB2 0.5mg

製造元サイトの記載

メッコールのメーカー(韓国企業の「一和」さん)のサイトに原料の詳細がありました
(※日本版と韓国版ではフレーバーや配合が少し違う可能性もありますが、同等として考えてみます)

原材料及び含量:
精製水、有機能麦エキス10%(固形粉3.0%国産)、異性化糖、砂糖、ハーブエキス(国産)、二酸化炭素、クエン酸、天然香料(レモンライム)、グレープフルーツエキス、クエン酸ナトリウム、ビタミン(B1塩酸塩、B2、C)、ニコチン酸アミド

ここから、気になる原料をみていきます。

 

大麦抽出液

メッコールと言えば「麦」ですから、風味の一つが麦っぽさなのは確実です。
提携農家が作った「韓国産有機栽培大麦エキス」を使っています。

発芽させた麦を、ビール酵母で発酵させたものを原料にしているのがビール。

発酵大麦エキスやら麦芽(モルト)エキスに、ホップを足したりいろいろしたのが「ビアテイスト」の第三のビール。

乾燥大麦に水を加えて発酵させた大麦エキスに、カルシウムや鉄分を混ぜてココア味にしたものがネスレの「ミロ」。
世界恐慌の際に、子供の栄養不足を麦の栄養で補うために、オーストリアで考案されたものです。

大麦の若い葉っぱから抽出されるのは「大麦若葉エキス」。
これは青汁の原料となります。

麦は頑丈ですし、安くて栄養価が高いので、安く楽しめる嗜好品や、子供の栄養補助食品に使われるのでしょうね。

メッコールが、大麦をどうやって液体や粉末にしたのかは未確認ですが、過去にコカ・コーラ社が「麦茶+砂糖+炭酸水+韓国人が好むフレーバー(レモン系?)」と分析したそうなので、麦茶か、麦茶っぽいものがベースになっているのでしょう。

メッコールの麦汁の濃度

「液体で10%、粉末で5%」とあるので15%。
「250mlのうち37.5mlは麦のエキス」ということになります。
で、麦の汁の濃度は10~11%くらい(アサヒビール中央研究所のレポートを参考にさせていただきました)。

一般的なビールの麦汁含有量は1割程度なので、麦の量的には、メッコールの方が多そうです。

ハーブ複合エキス

ハーブ複合エキス(メタリン酸ナトリウム、カンゾウエキス、その他)

メタリン酸ナトリウム

メタリン酸とは食品添加物の一種で、日本では昭和37年に食品への使用が認可されています。
ラーメンの麺を作る時の「かん水」の原料になる成分で、ガムなどに含まれることもあります。
これ自体がハーブということではなく「カンゾウエキスとその他」を安定させるために入っているのかなと…

カンゾウエキス

カンゾウ(甘草)は、中国等の寒い地方(緯度の高いところ)での栽培されることが多いマメ科の植物。
根っこや茎を乾燥したものが漢方薬の原料となります。

だから薬っぽいのか!
と一瞬ドヤ顔になってしまいましたが、カンゾウ自体は、お菓子や食品、ビールなどに幅広く使われる甘味料でもありました。

強い香りはない植物のようですが、無臭ではなくほのかに香りがあるので、ハーブティーに使われることもあるようです。

カンゾウ(薬用)

漢方ではもっとも多く使用される薬物で、疼痛 、痙攣 、潰瘍を治す作用があるので、腹痛、咽喉痛、咳 、胃潰瘍などに用いるほか(長いので一部略)肝臓で有毒物質を抱合してそれを体外に排出させるので解毒剤としても用いる。

ビール、たばこ、しょうゆの製造の際、甘味料として加える。
日本には生育しないので、生薬の形だけでなく、水で抽出して製した甘草エキスも多量に輸入している。

カンゾウ(甘草)日本大百科全書より抜粋

お薬だと、葛根湯、柴苓湯、小青竜湯といった風邪や咳のお薬に入ってます。

食べ物なら、グミやキャンディ。
日本ではなじみが薄いですが、リコリス菓子(リコリスという西洋カンゾウでできたグミ・ガムっぽい菓子)というカテゴリもあるみたいです。

調味料なら、しょうゆ、ウスターソースなんかに含まれます。
日本では魚の練り物(ギョニソ、かまぼこ、さつまあげなど)に使われることも多い。

甘草はどんな植物か

カンゾウ(甘草)。
甘い草なら、お寺の潅仏会などでふるまってくれる甘いお茶(アマチャ)のこと?と思ったら、甘茶はアマチャ(アマチャヅル)というアジサイの仲間の植物が原料でした。

なら、花粉症が辛い時飲む甜茶?あれも甘いよ!と思ったら、甜茶はバラ科の植物でした。

カンゾウ(甘草)はマメ科。全く違うものでした。


甘草大片(リコリス根)

酸味料

缶表記は「酸味料」のみですが、
メーカーサイトには「クエン酸、天然香料(レモンライム)、グレープフルーツエキス、クエン酸ナトリウム」とあります。

コカ・コーラ社が、メッコールが韓国で愛される理由は、レモンっぽい何かしらのフレーバーだろうと分析していました。
ですから、この天然香料やエキスが、メッコールをよりメッコールらしくしているのかな?

たしかに、コカ・コーラもレモンを添えるとおいしいですよね。

ハッカ液

爽やかな風味のもと。
ハッカは、シソ科ハッカ属のハーブの総称です。

ガムやアイスクリームなど洋風のお菓子には「スペアミント」「ペパーミント」がよく入っています。

アジア圏でハッカというと一般的なのは「二ホンハッカ」。日本~韓国~シベリア周辺でよく栽培されます。
ミント系よりも芳香は薄くて、メントール成分が強く、苦みも強いです。
お菓子にも使われますが、漢方薬と配合して鎮痛・解熱系のお薬になったりもします
(ハッカ油や湿布薬をイメージしてもらうとわかりやすいと思います)

ネット上には「飲むサロンパス」というコメントもあり…
メッコールに入っているハッカは、おそらくこちらではと思います。

異性化糖

なじみのない言葉ですが、日本の製品だと「ブドウ糖・果糖液糖」「果糖・ブドウ糖液糖」などと表示されています。
(日本版メッコールにはそのように記載されています)

「異性化糖」は、トウモロコシなどからできる、ぶどう糖よりも甘みが強い甘味料。

トウモロコシなどのでんぷんに、酵素を加えて液状にしていろいろする(略)。
そうすると、砂糖より甘みが弱い「ブドウ糖」が完成します。

そこで、ブドウ糖にさらに酵素を加えていろいろすると砂糖より甘い「果糖」に変化します。
これが「異性化」らしいです。

砂糖より安く使え、甘みも強く、低温だとより甘さが際立つので、冷たいお菓子やジュースなどにはたいてい入っている、よくある甘味料です。

 

その他ビタミン成分・メッコールの添加物など

「メタリン酸ナトリウム(酸性ヘキサメタ燐酸ソーダ)」は、ガムや歯磨き粉や魚肉ソーセージに使われる安全な食品添加物。

ビタミン類は、味ではなく健康のために入っているのだと思いますが、簡単に効能を。

ビタミンCは「皮膚や粘膜の働きをUPさせ、体の抗酸化が期待できる」ビタミン。

ビタミンB1は「糖質を燃やしてエネルギーに変えるときに必要なビタミン。

ビタミンB2は「脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立つ」ビタミン。
(B1、B2については大塚製薬の栄養素カレッジより引用)

「ナイアシンアミド」「ニコチン酸アミド」は同じもので「ビタミンB3」のこと。
肉ヤマメなどに含まれている栄養素で、欠乏すると、皮膚炎や肌荒れ、口内炎を起こしたり、疲れが抜けない等の症状がでるそうです。

メッコールのカロリー

現在(というか、過去も今も)日本で流通しているメッコールは250ml缶のみです。
100ml当たり51kcalなので、250ml缶1本あたり「約128kcal」という計算になります。

商品名 100ml当たりの
カロリー(約)
デカビタC 54kcal
メッコール 51kcal
デカビタC ダブル
スーパーチャージ
49kcal
ペプシコーラ 48kcal
カルピス 46kcal
コカ・コーラ 45kcal
モンスターエナジー 42kcal
午後の紅茶ミルクティー 38kcal
大人のミロ粉末
※牛乳含まず
37kcal
カナダドライ
ジンジャーエール
36kcal
ポカリスエット 25kcal

※本場韓国では、160ml缶・190ml缶・250ml缶・355ml缶のほか、500mlペットボトル、1.5Ⅼペットボトルのラインナップがあります。

カロリー高そうとは思ってましたが、ハイカロリーで有名なデカビタCと並ぶ勢いです。
炭酸飲料の中ではトップクラスと考えてよさそう。

大麦や甘草も入っていて、健康志向ではあるのですが、ダイエットには不向きのようです。
カロリー控えめが売りなのではなく「栄養UP、栄養補助食品」という位置づけなのでしょうね。

栄養UP食品で「コーラ味」なんだと考えると、割とすごいのかもしれないです。

メッコールはなにでできているか?まとめ

独特の風味の秘密はいまいち暴けませんでしたが、

麦茶(麦エキス成分は15%??)
+韓国の天然水(または天然炭酸水)
+カンゾウ(漢方薬にもなる甘味料)
+ハッカ液(漢方薬にもなる清涼剤)
+レモンライム香料
+グレープフルーツエキス
+α(まだ何か入っているのかも…)

=メッコール となります。

韓国産有機栽培大麦エキス、椒井里産の天然水を使用していて、カフェインや防腐剤、人工着色料は使用していないそうです。

体に悪い成分はできるだけ排除して、体にいいものを入れている印象です。
ただ、カロリーは超高いです。

最後に、メッコール日本版公式サイト(過去のもの・現在は見当たりません)の内容を引用で紹介させてもらいます。

韓流コーラ・メッコールが日本に上陸したのは1986年のこと。
日本国内での販売数はそれほど多くないため、一般の目に触れることはそれほどないかもしれませんが、一度飲めば、それ以降ずっとファンとして飲み続けておられる方も少なくありません。

アメリカ産コーラの味に慣れて、そのつもりで飲むと、最初は多少違和感を感じる方もおられるかもしれませんが、2本、3本と飲み続けていくうちに、その美味しさを実感していただけるようになるでしょう。

韓流コーラ・メッコールは、栄養豊富な韓国産有機栽培大麦エキス10%、固形物5%を含み、天然炭酸水(椒井里ミネラルウォーター)を原料として作られています。

さらに人体に不足しがちなビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ナイアシンアミドが加えられています。
逆に人体に有害なカフェイン、防腐剤、人工着色料などは一切使用されていません
どうぞ、一度、アジアンテイストの韓流コーラ・メッコールを、お試しください。
大麦のコクと天然炭酸水のキレの絶妙なバランスは、きっと「忘れられない味」になると確信しております。

国立国会図書館 インターネット情報保存事業のサイト経由で収集
メッコール公式サイトより(Webアーカイブ)

 

”某コーラのつもりで飲むと違和感があるだろうけれど、何本か飲んでみるとよさがわかる?”
ああ、確かに確かに、そんな感じです。

(コカ・コーラに入っている)カフェインや人工着色料は使っていないことも強調しています。
私はコーヒーも好きだし、そこは気にならないです。
お子さんに「コカ・コーラかメッコール」どちらか飲ませるのなら、どちらかというとメッコールのほうが体に優しげです。

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